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光化学系IIの立体構造をクライオ電子顕微鏡で高精度に決定 ~生体内環境に近い状態での分子構造決定に光明~

国立大学法人岡山大学のプレスリリース2021年 03月 24日

この研究成果は、クライオ電子顕微鏡観察の際に用いられる通常の電子線量では、タンパク質に損傷を与えているため、損傷を回避するためには電子線量をどのぐらい減少させる必要があるかを決めるための指標となり、今後のクライオ電顕を用いたさまざまな研究活動に役立ちます!

<発表のポイント>
・光合成過程で水分子を分解して酸素分子を放出する反応を触媒する光化学系IIの立体構造を、クライオ電子顕微鏡(電顕)で高精度に決定しました。
・その構造から、タンパク質分子はクライオ電顕観察の際に照射される電子線により損傷を受けるが、電子線量を調節することで損傷を大幅に減少できることが明らかになりました。
・これらの研究結果は、すべての生体分子の損傷の無いクライオ電顕構造を決定するための指標となります。

◆概 要
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)の異分野基礎科学研究所(RIIS)の加藤公児特任准教授、中島芳樹特任助教、秋田総理准教授、沈建仁教授、筑波大学の宮崎直幸助教、理化学研究所の濵口祐研究員、米倉功治グループディレクター(東北大学 多元物質科学研究所を兼任)らの共同研究グループは、クライオ電子顕微鏡を用いて、シアノバクテリア由来光化学系IIの構造を1.95 Å(1 Å = 1×10–10 m)の解像度で高精度に決定しました。

 得られた構造は、クライオ電顕観察の際に照射される電子線により、損傷を受けていました。そこで注意深く電子線量を調節することで、損傷を大幅に減少させ、且つ高精度を保った構造が得られました。この構造はX線結晶構造解析で解析されたものと類似していましたが、より生体内に近い状態を反映する特徴を持っていました。本研究成果は、日本時間3月22日(月)19:00(英国時間:22日10:00)、英国の科学雑誌「Communications Biology」に掲載されました。

 この研究成果は、クライオ電顕観察の際に用いられる通常の電子線量ではタンパク質に損傷を与えており、損傷を回避するためには電子線量をどのぐらい減少させる必要があるかを決定するための指標となります。

◆研究者の加藤公児特任准教授らからのひとこと
 この研究は生化学的なタンパク質試料調製法、最先端装置と構造解析法を駆使して、はじめて達成することができました。研究成果を発表するまでには多くの困難がありましたが、共同研究者の皆様、研究室メンバーの協力により得られた成果です。

◆論文情報
 論 文 名:“High-resolution cryo-EM structure of photosystem II reveals damage from high-dose electron beam”
 掲 載 紙:Communications Biology
 著  者:Koji Kato, Naoyuki Miyazaki, Tasuku Hamaguchi, Yoshiki Nakajima, Fusamichi Akita, Koji Yonekura and Jian-Ren Shen
 D O I:10.1038/s42003-021-01919-3
 https://www.nature.com/articles/s42003-021-01919-3

◆詳しいプレスリリースについて
 光化学系IIの立体構造をクライオ電顕で高精度に決定~生体内環境に近い状態での分子構造決定に光明~
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r2/press20210322.pdf

◆参 考
・【岡山大学】異分野基礎科学研究所の沈建仁副所長・教授が日本植物生理学会賞を受賞!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000072793.html
・沈教授の研究がサイエンス誌の「2011年における10のBreakthrough of the Year(画期的成果)」の一つに
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/topix/topix_id184.html
・岡山大学異分野基礎科学研究所(RIIS)
 http://www.riis.okayama-u.ac.jp/

◆本件問い合わせ先
 <研究開発に関するお問い合わせ先>
  岡山大学異分野基礎科学研究所
   特任准教授  加藤 公児 (かとう こうじ)
   副所長・教授 沈 建仁(しん けんじん)
  〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中3丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
  TEL:086-251-8502
  FAX:086-251-8502
  http://www.riis.okayama-u.ac.jp/

 <岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
  岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
  〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
  E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
      ※◎を@に置き換えて下さい。
  TEL: 086-251-8463
  https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000072793.html

ジャンル
調査・研究結果
業界
素材・化学・エネルギー・運輸
掲載日
2021年 03月 24日
タグ
二酸化炭素 基礎研究 岡山大学 クライオ電子顕微鏡 光合成

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